公害賠償制度

公害の原因となる亜硫酸ガス、酸化窒素、水銀、カドミウムなどの原因物質を排出する企業や自動車から賦課金をとり、公害被害者の医療費、労働能力補償、遺族補償、葬祭料などを国が支給しようとするもので、慰謝料は含まれません。財産被害や生業補償も別となっており、実際には公害保険制度に近い性格をもっています。財界側がこの制度を文持したのは四日市判決のショックからですが、今迄の公害対策の前例がらみて、この制度がどれだけ被害者の救済になるかの評価は困難です。公害反対違動の中では、この制度が地域指走制をとり、制限が多いために実効性には、疑問をもつ向きが多く、他の社会保険などとの関係にも間題点も残ります。
生活保障制度は川崎市が昭和48年に発表した公害企業負担の生活補償は、大気汚染への企業の寄与度に応じて市と公害防止協定を結んでいる企業から寄付をとり、死者に弔慰金、生存者に生活補助、児童に医療手当を支払うというものです。国の賠償制度の先駆けをなすものでしたが、企業側ではお金を払っておけば免責になるという考え方が強く、金額の面でも住民連動の員収になりかねない恐れがありました。本来このお金を自治体が企業に求償するのが筋であって、寄付に頼るのは凝間がありました。
食品公害救済制度とは食品公害の続発によって被害者の救済のえめに厚生省が検討を発表した制度でした。自動車損害賠償制度と同じように、食品製造企業に保険加入を義務づけ、因果関係の分かったものについては保険金を被害者救済資金にあてる制度でした。一方で森永ヒ素ミルク事件やカネミ油症のような因果関係の分かった事件については、国が一時救済資金を立替え、企業に請求してゆく方針もありましたが、厚生省と企業の協力ぶりがらその実現をあやぶむ向きもありました。

家計と公害環境

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