廃棄水銀

水俣病の発生以来、工場から排出される水銀の規制が厳しくなりましたが、それでも当時は水銀のたれ流しが後を絶ちませんでした。厚生省の昭和45年秋から46年春にかけての全国調査では、全国86力所の水銀を使用する工場、病院、大学など17力所の排出口がら多量の水銀が検出されました。特に水銀を多く使用する工場は、食塩を電気分解してかせいソーダを製造する場合で、かせいソーダ1トンにつき、水銀150から200gが消費されます。かせいソーダの年生産量がら割出すと、年間250から350トンの水銀が消費され、排水や製品に入っていきます。政府は廃棄水銀量を明らがにしていませんでしたが、通産省の44年度統計では、がせいソーダに済費した氷銀量を資材勘定562トン、設備勘定350トンと報告しています。48年6月、第三水俣病の発見以来、通産省は慌てて各工場に流出水鉄の椎定量を報告させましたが、その数値は極めて小さく実際の流出量はその100倍を越えると推測されていました。

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