PCB汚染

カネミ油症事件の原因となった有機塩素剤でDDTに似た構造をしており、耐熱、耐薬品性、絶縁性に優れているために、コンデンサーやトランスの絶縁油、熱処理用の熱媒体、ペンキや印刷インクの添加剤等に広範囲に使用されています。しかし、その性質上廃棄処理が困難で、環境汚染源のひとつとなっていました。1966年、スウェーデンで魚や烏の体内からPCBが検出されたのをはじめイギリスの雨水、スコットランド沖のアザラシ、南極のアデリーペンギン、北極のアザラシ等たて続けに汚染が報告されていました。日本でも昭和45年末頃より、瀬戸内海、東京湾、琵琶潮等の魚介類、および黒潮のカツオ等より高濃度のPCBが発見されました。このため46年6月科学技術庁が中心になり、厚生省、労働省、水産庁の各研究所、神戸大、愛媛大が加わって、PCB研究斑が組織され、汚染経路、毒性等について調査し、47年初め分析方法を確立し、この方法にもとづいて全国的調査が始まりました。その結果、日本人が食べているほとんどの食品が汚染されていることが分かり、47年春、PCB汚染が注目を集め、国会は4月衆議院でPCB間題連合審査会を開き企業と行政の責任を追及。同公害対策環境保全特別委はPCB追放を決議しました。政府の指示でメーカーは製造を中止としましたが、すでに出回っているPCB入り製品の回収は困難でした。

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